外壁塗装の塗料について説明します。

 塗装工事を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、創業以来45年以上この道ひとすじの一新助家が、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪

塗料の種類:『下塗り塗料』と『仕上げ塗料』

塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『仕上げ塗り用塗料』です。
それぞれについて、説明をいたしましょう。

1.「下塗り塗料」は塗装下地に合わせて、分類されます。

 下塗り用の塗料とは、読んで字のごとく「下塗り」のための塗料です。「3度塗り」という工程の中で1番最初に活用する塗料です。
 ところが、一概に「下塗り」と言っても、いろいろな塗装下地がありますので、それぞれに合わせた「下塗り用塗料」があるのです。そして、その上、痛み具合に合わせても若干、使い分けたりします。

・サイディング壁

外壁に張る仕上げ用の板材のことを「サイディング」や「サイディングボード」といいます。 一般的な戸建て住宅に使用しており、最近では最も多いのがサイディングボードです。 一般的な施工方法としては、サイディングの継ぎ目のコーキングは必ず撤去し、新規打ち替えた後に浸透性の下塗り材を塗ります。

こちらが浸透シーラー。ETERNITY(エタニティ)です。

・モルタル壁

「セメント・砂・水」を練り合わせた壁をモルタル壁と言います。 特徴しては、モルタルは不燃性の物質で作られているため、かなり火に強い性質がありますが、 硬くて頑丈な分、力が加わると他塗装下地に比べ、ひび割れが生じやすいです。 下塗り塗料には、クラックを埋めるために微弾性フィラーで塗装します。職人の技術力によって仕上りが左右されるので、信頼できる塗装店に頼みましょう。

・ALC壁

 ALCとは軽量気泡コンクリートのことでコンクリートの一種です。 軽量で気泡が入っているため、断熱効果が高く、音の出入りを気泡が防ぐため遮音性にも優れていることが特徴です。 塗装をする際には防水性の高い塗料を選択し、外壁表面を水から保護することが大切です。

・木の壁

 木部の塗装では、ケレン(下地調整)や目粗しなどの下地処理作業が重要です。 ケレン作業をしてから木部専用の下塗り材で塗装を行います。

・金属サイディング

 金属サイディングとは、スチールなどを使用した金属製のサイディング素材のことです。 腐食や耐久性に強いという特徴があり、他の塗装下地と比べて断熱材一体型の金属サイディングは断熱効果に優れていると言われています。 一般的な施工法としては、 サビをしっかりと落としたのち(ケレン作業)下塗り作業を行います。 一般的にはエポキシ系の錆止めを塗装した後に仕上げ塗りを行います。

ガルバニウム。オシャレなお家で時々見かけますね。
鉄に対しては、サビ止め効果の入ったプライマーを使用します。

・スレート屋根

 軽い屋根で有名なスレート屋根が痛んできた場合には、原則、浸透造膜プライマーを使用します。ただし、スレート屋根は、一般的な寿命が20年弱とも言われているため、お家のためには葺き替えをしたほうが良いケースもあります。(日差しがよくあたる地域等では特に痛みが早いです)

スレート屋根
傷んだ屋根には、弱溶剤2液型の浸透造膜プライマーが最適です。

 「下塗り塗料」は、いろいろな塗料があるようにも感じますが、体系的に並べると上記のとおりです。どれも役割としては「仕上げ塗り塗料」と塗装下地を密着させるということなのですが、壁の『素材』に合った「下塗り塗料」を使うことがルールです。

※このルールを守らないと塗膜が密着しない、つまり「剥がれ」が起きるということになります。

2.「仕上げ塗料」は「耐候性」と「機能ごと」に分類されます。

 「仕上げ塗料」は「耐候性」(どれくらいの長持ちを期待するか?)と「機能」(断熱・光沢・等)で分類されいますので、順番に見ていきましょう。

シリコン塗料

 いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はシリコン塗料が占めており、一新助家でもシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。
 特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、高耐候でつや光沢・高級感があるということ、予算もお手頃であることなどから根強い人気です。

各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントピュアピュアシリコン
エスケー化研クリーンマイルドシリコン
日本ペイントファインシリコンフレッシュ
関西ペイントセラMシリコン
アステック超低汚染 リファイン1000Si-IR
菊水化学工業ビュートップシリコン
水谷ペイントパワーシリコンマイルドⅡ
ロックペイントユメロック
大日本塗料Vシリコンマイルド

フッソ系塗料

 次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。

 お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2020年4月現在)でも10〜15%前後となっております。

各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントSHANGRI-LA
エスケー化研セラタイトF
日本ペイントデュフロン4Fルーフ
関西ペイントアレスセラフッソ
アステックマックスシールド1500F-JY
菊水化学工業ビュートップフッソ
水谷ペイントパワーフロン#2200
ロックペイントサンフロン
大日本塗料ビューフッソ

無機ハイブリッド塗料

 一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。

 ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。

各社塗料メーカーの無機ハイブリッド塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントNo.1
エスケー化研セラミタイトペイント
日本ペイントダイヤモンドコート
関西ペイントムキフッソ
アステック無機ハイブリッドコートJY
菊水化学工業無機ガードZ
ロックペイントパーフェクトセラミックトップF

遮熱塗料

 そして、遮熱塗料です。「遮熱塗料」「断熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、一新助家では、一般のお客様に対しては『遮熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。

 効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏は涼しく・冬は暖かくなると言われています。

費用面はフッソ系塗料クラスになるため、高級塗料に属しますが、体感できる塗料ですのでお客様の満足度は高いです。また、遮熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する遮熱効果が発揮されます。

各社塗料メーカーの遮熱塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントMagic(マジック)
日進産業ガイナ
エスケー化研クールタイト
日本ペイントファインサーモアイウォール4F
関西ペイントドリームコート
アステックペイント超低汚染リファイン1000Si-IR
菊水化学工業キクスイガイナ
大日本塗料エコクール

 以上が塗料のご説明となります。ただし、一新助家では、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)

 ただ、言えることは、「塗料」は料理で言うと「食材・材料」のようなものです。いくら良い「食材」を扱ったとしても、腕が悪いコックさんでは美味しい料理はできませんよね。一方で、仮に「一般的な食材」でも、腕の良いコックさんが扱えば、一流の料理が出来上がりますよね。
 腕が良いか悪いかは、天性の感覚もありますが、やはり、コックも塗装技術者も原点は経験が大事
だと思います。

 ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、創業から半世紀以上の私たち一新助家に安心してお任せくださいね。

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